主婦から清掃業に転じた私の経験を前回の記事でお話ししました。今回は、清掃の仕事を通じて得た知識や日々の作業がどのように私の考え方や生活に影響を与えてきたかをお伝えします。

<前編>主婦から清掃業への意外な転身

仕事に就く前の私は2ヶ月寝たまま、さらに2ヶ月はほぼ動かない生活をしていたので、清掃業界への挑戦は、体力的にも精神的にも大きな挑戦でした。薬の助けを借りずに新たな生活を始めた私は、2~3時間しか眠れない毎日で睡眠不足と戦いながらも、働ける喜びを改めて実感しました。

清掃から学んだ空間の美

最初の仕事は、旅館のチェックアウトからチェックインまでの部屋清掃でした。単純作業と思われがちなこの仕事でしたが、私はここで貴重な教訓を学びました。

言われた事を言われたまま、ただ作業すればいいというのは楽しくないのでどうしたらより効率的に、そしてお客様に喜んでいただけるかを考えるようになりました。例えば、「剥いだシーツをいかに小さくまとめるか」や「コンセントをいかに差し替えず掃除機がけするか」や「室内にある物をどう置けば綺麗に見えるか」です。

最初の2つは自己満ですが、3つ目の「室内にある物をどう置けば綺麗に見えるか」は、ドアを開けた瞬間にお客様が不快に思わないよう「ここに泊まって良かった」と思ってもらえるようにと思っていたので一番気を張っていたポイントです。

これは今現在も思っている事で、どの清掃を取っても欠けてはいけない気持ちだと思っています。

在宅清掃でない限りお客様の顔は見えません。日常の清掃員以外は清掃員とお客様はほぼお会いする事はありませんが 現場(清掃場所)の仕上がり、品質が良いのがスタート地点で、移動させ戻す荷物や細かな所に気持ちが伝わると思っています。

感じの良いお店ってありますよね?

入った瞬間に気持ち良い、心地良い所って。あれって何がどうという事ではなく空気やその場のエネルギーを身体で感じているので心地良いのだと思います。それを想像するんです。物を綺麗にする事だけが仕事ではなくその空間も綺麗にする“空間の美“がとても好きですしその先にあるお客様(人)の笑顔が大好きだって事に気づいたのです。

私の日々の仕事が、少しでもお客様の生活の質を高めるお手伝いになれば幸いです。