「エアコンクリーニングは毎年した方がいい?」そう思ってる方もいらっしゃるでしょうが、クリーニングの質が良くなければ臭いも解決しませんし、むしろエアコンの寿命を縮めている可能性もあります。ですので、一概に「エアコンクリーニ ングを毎年した方がいい」とは言えないのです。

ただ、エアコンに限らず機械や車は手入れをしていた方が故障も少なく使用できると思います。エアコンのクリーニングは車のエンジンオイル交換のようなものです。オイル交換は基本的に5,000km毎か、走っていなくても6ヶ月に一度はしましょうね、と言われています。では、オイル交換をしないとどうなるのでしょうか?燃費が悪化したり、エンジンの調子が悪くなってきます。すぐには症状が出なくとも次第に不調が現れてきます。

エアコンは、温度を調整する銀色の(アルミフィン、熱交換器)部分が汚れると冷えない温もらない、内部の黒い筒 (ファン)が汚れると風の出が悪くなり、ゴミが降ってくることがあります。冷やそう、風を出そうとフル回転するため、モーターや基板に負荷がかかり電気代が増します。最悪、何年か後に故障といったこともあり得るのです。そうならない為にも、クリーニングして長く使いましょうというお話なのですが、ピンキリの価格設定の業者さんが多い中、どのようなケミカルを使用してどのようなクリーニングをしている業者さんなのかが重要になってきます。

エアコンの寿命を縮めるクリーニングのリスク

安い、早いが良くないと言うわけではないのですが、なぜそんなに安くて早いのか。その理由を知ることが重要です。早い時間でクリーニングを終わらせるためには、エアコン本体の分解の量を減らしたり、汚れが早く落ちる強いケミカルを使用されている業者さんが多いように感じます。

例えば、お掃除ロボット付きエアコンの場合、お掃除ロボットを取り外すという手間のかかる工程を省略し、ロボットがついた状態で隙間から洗浄する方もいます。しかもお掃除ロボット付きの金額を請求しているのが実態です。

このように隙間から洗浄します

ロボットだけではありません。スタンダードな機種でもカバーを外さず隙間から洗浄している業者さんも見かけます。内部には電子部品がついている場所もあるので、最低限外す業者さんを選んでください。

次に強いケミカルですが、早く汚れを落とすために強いものを使用し、温度調整する銀色の部分が焼けをおこす成分が入っていたり、成分が強いので内部のファンや外装の樹脂の部分の劣化を早めます。部品も最低限しか分解しないので、吹き出し口は分解してもその横や機種によっては下部に付いている小さいモーター (風を上下左右調整できるモーター)はそのままで洗浄したりしますので、洗浄液が中に入って数年後には錆びてしまい、吹き出し口がリモコンで調整できなくなったりします。

エアコンの吹き出し口です。機種にもよりますがこの機種は吹き出し口の内部、側面にモーターがついています。

素材にもできるだけ優しく、汚れの度合いに応じて素材が傷まないようにケミカルを希釈したり(軽度から中度の汚れの強度に使えるくらいの希釈をしてしまうと素材が傷む原因に繋がります)小さな電子部品を外したりすればその分時間はかかってきます。(お掃除ロボットすら外さない業者さんは論外だと思います。)小さな電子部品は風向きをリモコンで変える機種に横または下部の見えない所に付いています。ドレンパンと言われる結露した水を集め排出する部品を外さないと容易に取り外せません。電子部品を外さないからといって必ず故障する訳ではありませんが、故障するリスクが上がる可能性があります。洗浄後すぐに故障すれば※保険に入っておられる業者さんであれば保証対象になりますが、保険に加入してなかったり、数年後だと洗浄によって故障したとは思いにくいのです。※保証とはメーカー保証期間内で機種、部品の製造が行われている場合によります。機械全部が新品になるのではなく、故障した部品のみが新品になります。

エアコンクリーニングで失敗しないために

安価な業者さんを選択することが悪い訳ではありませんが、安価・高価に関わらず価格設定には理由があります。気になる方はお問い合わせをされることと、繁忙期に依頼しないことも一つの手だと思います。繁忙期はやはりご依頼が集中します。 業者さんも質を落としてはいけないのですが、1日に洗浄する台数が多くなると気持ちが焦って洗浄にムラが出たりということもありえます。昨年お伝えしたエアコンクリーニングを夏におすすめしない理由と、こういった点からの繁忙期と言われる5月から8月に依頼するより、冷房を使わなくなった10月くらいに依頼された方が良いのではないかと思います。

夏のエアコンクリーニングをおすすめしない理由

なぜ冷房を使い終わった後の10月なのか?エアコンは汚れたままだとどんどん傷みます。次使用する夏前に クリーニングは大間違いなんです。エアコンの寿命が短くなります。ご自身の優先順位も考慮しながら業者さんを選択し、ご利用は計画的に、定期的にされることを強くおすすめします。