今回はにわとりのお話なんですが、にわとりのからだにもこの「體」と言う漢字が当てはまるかは正直わかりません。明治時代の字体統一によって「體」が「体」に変換されたようです。今では馴染みのない漢字ですが、なぜあえてこの漢字を使用したのか。この後の箸休めのお話に続くので使用しました。

アレルギーの背景にある「食べ物と環境」

さて、前回アレルギーの話しをなぜ挟んだかと言いますと、卵アレルギーの方が世の中にたくさんいらっしゃるからです。私の姪、甥も卵、小麦アレルギーがあり、食材を購入するのにとても苦労していました。直接料理に使われていたらわかりやすいですが、材料表記を見たりしないとわからないし、表記がなくても製造ラインでもしかしたら混ざっている可能性もあります。そういった状況は8年程前ですが当時は大変だなぁ…と他人事のように思っていました。

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しかし最近になって卵やにわとりについて調べ始めると、食材自体(ここでは卵)に反応しているのか、それとも卵自体ではなく卵を産んだにわとりが食べている物の中にアレルギー物質が入っている可能性もあるのでは?と考え始めました。これっていわゆる「卵が先か、にわとりが先か」問題に行き当たりますが…

ところで、スーパーなどで売られている卵がどのような感じで採卵されているか想像した事はありますか?卵について調べる前は私の中で卵=にわとりが過ごす環境のイメージは次の写真のような感じでした。

狭い囲いの中で飼育されているにわとり
自由に動き回れる環境で飼育されているにわとり

最初の写真はにわとりが狭いケージにぎっしり入れられており、一方で2枚目の写真は自由に動き回れる環境です。この違いだけでも卵の味が変わるのです。どちらが良いとか悪いとかではなくご自身が好きな方を選択してくださいね。ただし、にわとりたちに与える飼料や運動量、日光を浴びる環境も卵の味や質に影響を与えるのです。

狭いケージに入っている理由は「尻つつき※」の防止や与餌、採卵をしやすくするためです。
※尻つつき(毛喰い)とはにわとりの習性でもありストレスでも起こったりする。1羽をつつき始めお尻や首などの毛がなくなったり、ひどくなると血が出るまで突いてしまったりします。

さらにもう一つの違いとして、窓がない環境で電気を使う場合と、自然光が入る環境差があります。にわとりの産卵には光が重要な役割を果たしており、大きい鶏舎などでは自然の光を入れにくい為、人工的に電気で光を取り入れているという仕組みなのです。

そもそも1歳6ヶ月を超えたあたりから産卵率が下がる為、その前ににわとりを入れ替えるようです。卵を産むというお仕事が終わったにわとりたちは廃鶏と言ってブロックのお肉ではなく加工品に使用されるミンチや鶏エキスになったりするようです。一方でスーパーに並んでいる鶏肉は6ヶ月未満の若い鶏がほとんどです。

卵が教えてくれた、體と食の密接なつながり

私自身、ある日近所の方から「老鶏」を譲り受けて飼育した経験があります。近所の方の飼育環境は平飼いではあるけど、日が当たらない狭い囲いの中で飼育していました。我が家に来て2日目に卵を産んだので食べましたが、とても卵と言える物ではなかったです。白身はプラスチックみたいな食感で卵の殻はすごく柔らかく、今まで食べていた卵と大きくかけ離れていた為、一時卵を口にするのが怖かったです。それから飼育環境を狭い囲いから放し飼いに変え、与える飼料も自分で仕込んだ発酵飼料を与え老鶏ではあるけど卵の質は徐々に変わっていきました。

この経験を通じて感じたのは「与える飼料によって卵の質が変化する」ということ。そしてこの事実は、私たち人間の體にも当てはまるのではないでしょうか。つまり、私たちの體は日々摂取している食べ物によって作られているのです。

卵だけの話ではありません。お肉、お魚、野菜、お米もです。 食の変化とともにアレルギーの方は増えています。「体質だから」だけではないと思うのです。産まれる前のお母さんのお腹の中でお母さんが摂取してきた物、生まれて今まで摂取してきた物のキャパがオーバーしてアレルギーとして出ている可能性もあり得ると思います。

食だけでなくお掃除についても考えてみてください。お掃除での過度な除菌や殺菌などはご自身の皮膚や体の中の常在菌も減らしてしまって免疫力の低下につながります。お掃除と一緒にご自身が摂取されている物も見直し変更される事をおすすめします。