前回のブログでは、業者選びの基準についてお伝えしました。clean workerでは私自身の基準をもとにファン抜きや機種によっては完全分解でのクリーニングを行っています。

「通常分解」と「完全分解」の違いを徹底解説

通常の分解とファン抜き、完全分解は分解の量に違いがあります。分解量は「完全分解 > ファン抜き分解 > 通常分解」の順で異なり、当然分解量が少なければ汚れの残りやすさは多くなります。今回はここを深掘りしたいと思います。

分解量と汚れ残りのリスクを理解する

完全分解
ファン抜き分解
通常分解

1枚目が完全分解、2枚目がファン(黒い筒)抜き、3枚目が通常分解の状態です。分解量の違いは一目瞭然で、この分解量に対して反比例するのが汚れの残量です。

ただし、これはあくまで「汚れの残りやすさ」の話であり、洗浄できていないわけではありません。以前のブログで例えた通り、食洗機にお皿をぎゅうぎゅうに詰め込んで洗浄すると洗い残しが出るのと同じ原理です。エアコン内外部にはあまり隙間がなく、完全分解にあたるメーカーや機種に関しては完全に覆われている部分もあります。だからこそ「できる限り分解をして洗浄をしたい」というのが私の選択でした。

こちらの写真の部品に上記の丸裸になっている完全分解の写真が重なってエアコン本体に近づきます。青マーカーで記している部分が銀色の熱交換機と呼ばれる冷やしたり温かくしたりする所になります。ここでは外されていますので後ろの部分が見えますが、壁にかかっている状態ですと緑マーカーの部分は熱交換機で隠れています。冷房を使用してお部屋の湿度が冷やされることにより結露水としてオレンジマーカーの部分に溜まり(ドレンパン)左右どちらかホースが繋がっている方向へ多少勾配をつけていますのでそちらに流れ外へ流れ出るという仕組みなのです。

ここでお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、緑、オレンジマーカーの部分は熱交換機に覆われており、汚れが残りやすい構造です。これは、重なり合った食器に汚れが残りやすいのと同じ原理です。

もし1つ前の写真にある部品を分解しない場合、この写真のように一方向からの洗浄になってしまいます。さらにエアコンの容量(冷やせるお部屋の広さ)が大きくなると銀色の部分に厚みが出てくるので(厚みがない場合も)さらに汚れは打ち抜けていない場合が多く、銀色のヒダの間に残ったり、貫通していても中に部品があるため綺麗になっているか確認ができないということに繋がってくるのです。ましてや中のファンの洗浄をする時の汚れが中の見えない部分に飛び散るという二次災害が起こりやすいのです。

ある程度の圧がある洗浄機で表からと裏からと両方から打つ事により、汚れを残さないという事を目的で洗浄しています。

洗浄後の確認方法:透明な濯ぎ水が示すもの

テレビCMなどで見かける黒い汚水はこの部分から出る物ではなく、中の黒い筒から出る物になります。よって、私たちのようにファン抜きや完全分解をサービスとしている業者は、濯ぎの水がどれだけ透明になるかで、洗浄がきちんとできているかを判断しています。汚れ方によっては透明になるまでバケツ何杯もの濯ぎをします。この洗浄で出る汚水ですが洗浄と同じくらい大切だと思っています。

食洗機は取り出した時に洗い残しは確認できますが、エアコンは食器のように平たくないですし、入り組んでいるため全ての汚れに対し確認が難しく洗浄で出た汚水の色でしか確認ができません。どちらの分解にせよ洗浄はその業者さんの知識と洗い方で差ができます。そこも踏まえて業者さん選びの参考にされてみてください。